はじめに
児童精神科医である著者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。
少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。
人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソットを公開する。
第1章 「反省以前」の子どもたち
「狂暴で手に負えない少年」の真実
世の中の全てが歪んで見えている可能性がある。
第2章 「僕はやさしい人間です」と答える殺人少年
ケーキを切れない非行少年たち
「丸いケーキを3等分することが出来ない」 これらのような切り方は、小学校低学年や知的障害を持った子どもにみられる。
問題なのは、凶悪犯罪を起こしている中学生・高校生の非行少年だということ。
第3章 非行少年に共通する特徴
非行少年に共通する特徴5点セット+1
・認知機能の弱さ ー 見たり聞いたり想像する力が弱い
・感情統制の弱さ ー 感情をコントロールするのが苦手
・融通の利かなさ ー 何でも思いつきでやってしまう
・不適切な自己評価 ー 自分の問題点が分からない
・対人スキルの乏しさ ー 人とのコミュニケーションが苦手
+1身体的不器用さ ー 力加減ができない
第4章 気づかれない子どもたち
子どもたちが発しているサイン
発達や学習の遅れ、発達障害、自傷行為、粗暴行動、イジメ、不登校、非行、親の不適切養育などの課題が入り混じっている。
第5章 忘れられた人々
どうしてそんなことをするのか理解不能な人々
特に軽度の知的障害や境界知能の人たちは、周囲にほとんど気づかれることなく生活していて、「どうしてそんなことをするのか理解不能な人々」に映ってしまう。
第6章 褒める教育だけでは問題は解決しない
褒める教育で本当に改善するの?
小学校では、褒めることや話を聞いてあげることで、何とか乗り切れたかも知れません。
しかし、中学校でうまくいかない、高校でもうまく行かない、社会ではさらにうまくいかないとなってしまう。
第7章 ではどうすれば? 1日5分で日本を変える
非行少年から学ぶ子どもの教育
大きく次の二つにまとめられる。一つは自己への気づきであり、もう一つは自己評価の向上です。