「今まで散々言われたんだろ、『ありえない』とか。」
不可能な夢だなんて言わせておくな。
ビジョンがあるなら、それを掲げろ。
戦い抜くんだ。
もちろんしんどい戦いになるさ。
『無理だ』って言われることもあるだろう。
でも貫き通せ。
戦い続けろよ。
「秘めた力」を使うんだ。
簡単じゃないが、出来るはずだ」
シュガー・レイの第一歩
父親は海軍でボクシングをやっていたので、レイも7歳のときにやってみることにした。
リングに上がったら、数秒足らずで顔面を殴られ、鼻血があふれ出し、負けてリングを降りた。
6年後、兄からもう1度ボクシングをやってみないかと促された。
レイはジムに戻るが、またもやノックアウトを食らってしまう。
だが、今回は続けようと決めた。
彼は年下で、他の子たちより背が低く体も細くて、経験も浅かったので、
何か自分なりの強みが必要だと悟った。
「俺には経験がなかった」
「だが勇気と克子心と欲があった」
チャンピオンベルト
プロになって5年目、トマス・ザ・ヒットマン・ハーンズと王者統一戦で対戦した。
開始のゴングが鳴り、ヒットマンの長いリーチのジャブがシュガー・レイの左目に入った。
レイは、中盤で持ち直したものの、12ラウンドに入ってもスコアでは負けていた。
彼が勝つには、ヒットマンの右のストライクゾーンに入るしかない。
レイのトレーナーがアドバイスをした
「お前の勇気はどこへ行った。戦って、戦って、戦い続けるんだ。
心の中で『もうどうでもいい、負けたっていい』って言ってるぞ。
頭と気持ちがバラバラだ。
一つにしろ。
すべてをつなげろ。
すべてを一つにして登りつめるんだ、頂上に」
13ラウンド、レイは25発のパンチを連続で繰り出し、ヒットマンはロープにもたれ、床に伏した。
14ラウンド開始から1分たらずで、ヒットマンはロープにもたれた。
レフリーが試合を中断させ、レイは本物の世界チャンピオンになった。
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