人はどんな場所でも、自分の周囲に他者の侵入を拒む心理的な空間(パーソナル・スペース)を持っています。
相手やその時の状況によってパーソナル・スペースは変化し、その境界線を越えて入ってこられると不快感を覚えます。
相手の心理が分かる8つの距離
エドワード・ホールは、対人関係の距離をコミュニケーションの種類によって4つに分類し、さらにそれぞれを近接相と遠方相の2つに分類しました。
1、密接距離
・近接相(0~15cm)
かなり親しい2人が使う距離。 愛撫、格闘、慰め、保護など目的としており、言葉より、体を触れ合うコミュニケーションが多くなる。
・遠方相(15~45cm)
手が届く距離で、親しい2人が使う。 電車内などでこの距離まで他人が近づくとストレスを感じる。
2、個体距離
・近接相(45~75cm)
手を伸ばせば届く距離で、恋人や夫婦なら自然な距離だが、それ以外の異性がこの距離に入ってくると誤解を生じやすい。
・遠方相(75~120cm)
お互いが両手を伸ばせば届く距離で、個人的な要件を伝えたいときなどに使われる。
3、社会距離
・近接相(120~210cm)
身体的な接触が難しい距離であり、仕事をする時の仲間との距離にふさわしい。
・遠方相(210~360cm)
改まった仕事の話などに使われる距離で、何かをしたいときには相手を気にすることなく作業ができる。
4、公衆距離
・近接相(360~750cm)
表情の変化はとらえにくいが、簡単なコミュニケーションなら取れる。 質疑応答も可能。
・遠方相(750cm~)
講演や演説に使われる距離で、1対1のやり取りは難しい。 身振りなどのコミュニケーションが必要になる。
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