役員報酬とは

疑問に思ったこと(102)

役員報酬とは

役員報酬は、会社の役員に対して支払われる報酬で、従業員給与とは異なり、基本的には毎月一定額を支払います。

役員報酬は利益調整や不正行為などに乱用されるおそれがあるため、報酬額の決定には定款や株主総会による決議が必要となります。

役員報酬のルールを正しく理解せず、従業員給与と混同してしまえば、税務調査の際に追徴課税を受けるリスクも高まるため、役員の概要や給与との違いについて確認しましょう。

役員報酬を支払うことになる法人税法上の役員は、会社法における取締役、執行役、会計参与、監査役などに加え、相談役や顧問のように経営に従事する人も「みなし役員」として含まれます。以下に、役員報酬についての詳細を説明します。

役員報酬の種類

役員報酬には以下の3つの種類があります:

定期同額給与: 原則として、毎月同じ金額を支払う方法です。事業年度開始から3ヵ月以内に役員報酬の金額を決定する必要があります。

 株式会社なら、「株主総会議事録」または「取締役会議事録」を作成・保管した後、年度中は毎月同じ額の給与を「定期同額給与」として支給し続けます。

事前確定届出給与: 事前に確定した金額を支給する方法で、損金算入のためのルールがあります。

業績連動給与: 役員の業績に応じて変動する報酬です。業績目標を設定し、達成度に応じて報酬を支給します。

役員報酬を適切に損金に算入して節税対策を

役員報酬は、法人税の節税対策にも影響します。適切に損金に算入できれば、課税対象の所得金額が減り、法人税を節税することにつながります。

ただし、報酬額を適正に設定するためには、役員の職務内容、一般従業員への給与支給状況、同業他社との比較、今後の事業計画や利益状況などを多角的に検討することが大切です。

役員報酬の相場は、国税庁の「民間給与実態統計調査結果」を参考にすることが効果的です。自社の事業規模と照らし合わせて、役員報酬額の妥当

役員報酬 一人法人

ひとり法人を設立した場合、自分への役員報酬について所得税を徴収して納付する義務が発生します。以下に、役員報酬に関連するポイントを説明します。

給与支払事務所等の開設届出書: ひとり法人を設立すると、自分への役員報酬の支払いが発生します。

 税務署に給与支払を行う事務所を開設したことを通知するため、「給与支払事務所等の開設届出書」を提出します。この届出書は、通常は法人設立日から1か月以内に提出します。

源泉所得税の納付: 役員報酬から徴収した所得税は、原則として翌月10日までに納付します。

 ただし、給与の支給人員が常時10人未満である場合は、年2回にまとめて納付することができます。

具体例での所得税計算: 役員報酬から徴収する税額を求める際には、「源泉徴収税額表」を利用します。

 例えば、役員報酬が300,000円で社会保険料が42,300円の場合、所得税を徴収する金額は6,850円となります。

納付期限の特例: 特定の条件を満たす場合、所得税の納付期限を年2回にまとめて行うことができます。

ひとり法人でも、自分に支払う役員報酬については、所得税を徴収して納付することをお忘れなく。

タイトルとURLをコピーしました