揺れながらでも書いてみたら、“これまで”がつながった

50代の働き方

── 書くことで再構成されていく、“自分の働き方の地図”の話

ブログを始めようと思ったとき、まず迷ったのはテーマだった。

キャリアのことか、暮らしのことか。自分が伝えたいのは何なのか。

序章で書いた「家とモノを整えてわかった。

働き方も“戦略”がいる」に立ち返ると、モノの奥に残る働き方の問いが見えてきた。


揺れながらでも書いてみること。それが、自分の働き方の地図を描き直す第一歩だった。

ブログを始めようと思ったとき、まず迷ったのはテーマだった。

キャリアのことか、暮らしのことか。

いったい、自分が伝えたいのは何なのか。

けれど、序章で書いた「家とモノを整えてわかった。働き方も“戦略”がいる」という一節に、

改めて立ち返ったとき、ようやく軸が見えた気がした。

モノを片づけたあとに残る“気配”——それが、自分の働き方だった。


いざ書き出してみると、話があちこちに飛んでしまう。

整備、開発、知財──職歴は並ぶけれど、つながりが見えにくい。

自分の中でも、どこか一貫性に欠けるように思えていた。

でも、ふと気づいたことがある。

整備では、故障の原因を探すのが好きだった。

開発では、問題に対して妥協案を練ることに没頭していた。

知財では、条文や契約を読み解きながら「知らなかったことを知る」ことに喜びを感じていた。

それってつまり——
問いを立てて、仮説をつくり、観察して、意味づけするプロセスだった。

仕事内容は違っても、思考の型には一貫性があった。

それは、「ものづくり」の企画→開発→製造→販売→アフターフォローという流れの中で、

自分がずっと“下流から上流に向かって歩いていた”ことの証でもあった。

流れに乗るというより、流れを遡りながら、

“なぜそれが必要か”や“どう設計されたのか”を探ろうとしていた。


書いてみることで、“問いのクセ”が見えてきた。

自分は、ただ正解を求めていたわけじゃなかった。

むしろ、「問題を見つけ、問い直す側にまわりたい」と考えていた。

決め打ちを避け、仮説の幅を持たせること。

どんな選択肢も、「これしか選べない」ではなく「いろんな視点から見て最善を探す」こと。

仕事内容は、ある意味では手段に過ぎない。

大事なのは、「何のために仕事をするのか」の方だった。


書きながら、自分の過去と現在が線でつながっていった。

履歴書だけでは見えなかった関係性。

肩書きでは語れなかった自分らしさ。

それらが、言葉として形になっていく。

セカンドキャリアの設計に必要なのは、

「職歴の強さ」よりも、「自分で自分を意味づけする力」なのかもしれない。

失敗は、いつだって怖い。

でも、準備と心構えがあれば、“不安を減らす力”にはなれる。

その力を育てるのもまた、戦略の一部だ。


揺れながらでも書いてみること。

それが、自分の働き方の地図を描き直す第一歩だった。


📌 次回予告:
総集編|「家とモノを整えてわかった。働き方も“戦略”がいる」シリーズ③まとめ+番外編案内
“違和感”から始まり、“問いを立てる自分”へ。
これまでの5話と番外編の思考の軌跡をたどります。


🔗 この連載の一覧はこちら:  
📘 [セカンドキャリアを組み直す50代の記録]

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