
お金は、働き方の動機にもなるけれど、働き方を見失わせる原因にもなる。
そんな矛盾を感じ始めたのは、退職して、自由になったはずの時間の中でだった。
💸 収益のない時間に、“働いている感覚”は宿るか
ブログを書いたり、資料を整えたり、勉強をしたり──どれも、収益にはつながっていなかった。
それなのに、やっていて疲れる日もあるし、やりがいを感じる日もある。
お金が発生しないと「仕事」とは呼ばれないとすれば、僕がやっていたことは、なんだったのだろう。
🔁「意味のある収益」の正体
考えてみると、お金そのものが欲しかったわけではない。
ほしかったのは、「意味ある使い方」と「自分で選べる状態」だった。
むしろ、収益がなかったからこそ、「自分が納得して使いたい時間とは何か?」という問いがクリアになった。
選びたいのは、「収入の方法」ではなく「時間の使い方」。
そして、「どんなお金が自分にとって豊かさにつながるか」という感覚だった。
📊 僕のなかのお金の3分類
- 意味あるお金(育てたい)
自分の価値観・目的と合っていて、使っていて気持ちが整うお金。
例:ブログで得た収入/感謝としていただいたお金 - 意味が薄れたお金(手放したい)
やりたくない仕事や、疲弊する働き方から得た報酬。
例:会社員時代の業務報酬の一部 - 未分化なお金(問いたい)
副業や投資など、手段はあるが、なぜそれを選んだのか納得できていない収益源
🧭「お金=時間の記録」と捉えたとき、問いが変わる
「このお金は、どんな時間を通じて得たのか?」
そう問い直すと、すべての収入は、“時間の意味づけ”に変わっていく。
- 楽しく働いた時間=うれしい報酬
- 意義のある活動=納得できる対価
- 疲弊や我慢だけの時間=見直したい報酬源
つまり、「仕事=収益」ではなく、
「仕事=意味ある時間」→「その結果としての収益」に変換したいという感覚。
🏞️ 収入が増えても、自由にならない理由
よく、「稼げるようになったのに、なぜか自由を感じられない」という話を聞く。
それは、収入源が「自分にとって意味のある時間」から生まれていないからかもしれない。
- 時間を削るほど収益が増える
- 感情を押し殺すほど対価が高くなる
そんな構造の中にいると、収入は増えても「生きている感覚」が減っていく。
🌱「戦略的な収益」と「意味のある収益」を分けてみる
副業や投資の中にも、“やりたくてやっているわけではない”ものがある。
だからこそ、問いを立てる必要がある。
- これは「意味を感じるお金」か?
- それとも「戦略として必要なお金」か?
戦略的な収益も、もちろん大切だ。
でも、それが人生を侵食しはじめたら、見直したい。
🧩 自分の“収益設計”を問い直す
これからの働き方に必要なのは、「いくら稼ぐか」ではなく、「どんな時間から得たお金か」。
収益は、“どんな生き方をしたか”の副産物。
使い方は、“どんな人でいたいか”の表現。
そして何より、お金の流れを通して、「自分の価値観」が炙り出される。
🎯 働き方のゴールは、“意味のある循環”をつくること
たくさんの収入がなくても、意味のある収益源が少しずつ育っていく感覚があれば、それでいい。
働いて、受け取り、使って、また働く。
その循環が、納得感を持てる形になっていれば、焦らなくても、競わなくても、ちゃんと自分の中に「豊かさ」が残る。
お金の話をすると、他人と比べたくなるけれど──
今の自分は、「意味づけ直せる感覚」こそが資産なのだと思っている。
📌 次回予告:
番外編⑥|「続ける理由が消えていく」──やめたい気持ちと、やめずに残るもの
何かを始めたときの熱量が、少しずつ消えていく。
そのとき、問いが残してくれた