
退職して、だいぶ時間が経った。
会社員を続けながらでもキャリアの“組み直し”はできたかもしれない。
それでも、なぜ自分は「辞める」ことを選んだのか。
最近になって、その問いが自分の中で再浮上してきた。
会社員だった頃。
決まったフォーマットの資料づくりが退屈に思えた。
でも、そのフォーマットを作るのは楽しかった。
校閲は嫌いだけど、構成を考えるのは好きだった。
好き・嫌い。
できる・できない。
得意・苦手。
それらの違いを、当時はうまく区別できていなかった気がする。
🔍 自分の“キャリアの型”を見つけてみる
「ゼロ型? 再構成型? 混合型?」──これは、第4話で紹介を見送った、読者向けの小さな診断です
今回あらためて、自分の言葉で整えてみました。
◾ ゼロ型:過去を壊して、新しく始めたい人
- 今までの経験にはあまりこだわらない
- まったく違う分野・世界に飛び込みたい
- 自分の正体を“新しい何か”で塗り替えたい
▶ 仕事や生き方を「刷新」したいという衝動が強いタイプ
◾ 再構成型:過去を活かして、組み直したい人
- 過去の経験や知識に意味を持たせたい
- やってきたことを“並べ替えたり編集”し直したい
- 価値観は変わったけれど、素材は使える気がする
▶ 経験を“違う角度から活かす”ことに魅力を感じるタイプ
◾ 混合型:壊すものと残すもの、両方を選びたい人
- 過去を活かしたい気持ちと、捨てたい気持ちが混在している
- 新しいことにも挑戦したいし、実績も手放したくない
- 変化のスピードを自分で決めたい
▶ 揺れながらも「選び方を選びたい」と感じるタイプ
自分がどの型か、すぐに決める必要はありません。
でも、こうして言葉にすると「何を壊したくて、何に執着しているか」が浮かび上がってきます。
僕自身は、“再構成型寄りの混合型”かもしれません。
会社員としての知識や経験も残しながら、「このままじゃダメだ」という違和感を抱えていた。
💭 後悔と問いはセットでやってくる
何かに挑戦して、うまくいかなかったとき。「やらなければよかった」と後悔した経験は誰にでもあります。
でも実は、後悔は“期待はずれ”のときに起きる感情です。
そして、挑戦しなかった後悔のほうが、あとから大きくなっていくことが分かっています。
つまり、後悔しているということは──
「本気だった証拠」でもある。
そんなとき、自分に問い返してみる。
「どうしてそれをやろうと思ったんだっけ?」
後悔とは、「なりたい自分」に近づけなかったときの痛み。
反省とは、「なりたい自分」に向けて軌道修正する作業。
どちらも、ちゃんと自分を見ているからこそ湧いてくる感情なのだと思います。
🔁 過去を活かすとは、「違う意味を与える」こと
大人になってからのキャリアは、“意味を取り戻す作業”かもしれません。
職歴でも資格でもなく、
「何を手放し、何を抱えてここまで来たか」。
ゼロから始めなくていい。
過去を“書き換える”のではなく、別の言葉で意味づけ直す。
それが、自分にとってのセカンドキャリアの「組み直し」だったのかもしれません。
📌 次回予告:
番外編⑤|「仕事=収益」ではない──意味あるお金のつくり方、手放し方、受け取り方
働くこととお金のつながりを、ただの交換から“選び方と納得”の視点へ。
自分の戦略と思考の軸を描いていきます。